前歯の形態不良を整えたい

術前

モールド(形態)を想定するためWAXUPを行い、ステントを作成する
このWAXUP模型でプロビジョナルレストレーションを作成し、患者の要望と擦り合わせする。治療方針が決定後、ステントに基づき支台歯形成を行う。
ステントに基づいた支台歯形成 WAXしたモールドを再現するため 歯を削る方法は たった1通りに限定される。

モールド決定用ステント試適時 ステントは完成品でも仮歯でもありませんが、完成するジルコニアの情報をすべて盛り込んで作ります。この段階で形態や咬合で不足するものがあれば、最終調整し 歯科医師 患者 歯科技工士 の3者の目的を合致させます。

すべてのチェックを完了し、ステント最終形を精密な光学印象でスキャニングした上で、色付けでジルコニアにセラミックをレイヤリングして完成する。ジルコニア単体の強度は1200~1250Mpaある。これは金パラ銀歯の約2倍の強度を誇る。

右側のクラウディングも目立たないようにモールドの調整を行ってある。患者はブラキシズムにより側方の接触が非常に強く、不用意なガイドを付与するとセラミックが吹っ飛ぶが、長期的なモールドの耐久性を求める意図から 対合歯(下の前歯)の調整(咬合を合わせるために削合します)および上顎のジルコニアの歯軸の設計が織り込まれているため、全く審美面で問題が出ていない。


美容歯科においては、治療前の完成形をワックスアップ診断に従って、歯の削除量を決めるので、歯の削り方は「たった一通り」しかありません。


上顎の前歯の治療に際しても、下の前歯を削り調整をしないと製作できないことが多い。上の歯がどこか壊れる=下の歯が上の歯を突き上げるか、側方でぶつかっている、つまり下顎の歯が壊す要因になっている場合は、ここを修正しないと正常な噛み合わせは再現できない。前述の、WAXUP診断時に、反対側の歯の調整をするかは打診を行う。


WAXUP診断で決定した以外の歯の形成は、患者の希望から反れてしまうので間違ったものと言えます。同時に、美容歯科医師は「完成形」を想定し、患者に「完成形」を説明した上で治療にかかるわけですが、治療の最終段階にとりかかる前に「完成形」を技工士へ伝えておきます。この時点で3者が同じ目標にむかって治療を進めていくことが決まります。これが美容歯科で最も大事なポイントになります。


治療費 1,056,000円